勇壮な火祭り!
燃え盛る須賀川の「松明あかし」
福島県須賀川市では毎年、日本三大火祭り「松明あかし」が開催されます。
この火祭りは歴史が長く、福島県民の思い入れの強い熱いお祭り。
巨大で大迫力の「松明あかし」は昼間のように明るく、燃える松明の光景は幻想と迫力に満ちた、見ごたえ十分のお祭りです。
伝統行事のため観光客が多く、毎年15万人もの人出で賑わいます。
松明あかしはこんなお祭り
福島県須賀川市で毎年11月の第2土曜に行われる「松明あかし」。
その歴史は長く、420年以上。
長さ10m、重さ3トンもの巨大な松明30本が、会場の五老山(翠ヶ丘公園内)に立てられ、火が灯されるお祭り。
このお祭りに使用される松明は、参加するそれぞれの団体や学校で手作りされます。
当日は1.5kmの道のりを人力だけで運び、会場の五老山に着くと松明を全員の力を合わせて立てます。
それぞれの松明の代表が命綱1本だけを頼りに松明を登り点火。
松明に火がつき燃え盛る様子は、大迫力で息をのむ程です。
松明あかしの由来
現在の福島県の約5万7千石を、須賀川城主二階堂家が治めていました。
そこに1589年、北東北を治めていた伊達政宗(だてまさむね)が攻めてきました。
長く須賀川を治めていた二階堂家を守ろうと10月10日の夜、手に松明を持って街の東側にある十日山に集まります。
そこで家臣だけでなく、領民も決死の覚悟で須賀川城を守ることを決意し闘いがはじまりました。
しかし、二階堂家の重臣が裏切り伊達家に内通していました。
合戦の最中に城下の風上にあった寺に火を放たれ、須賀川城は燃え落ちてしまったのです。
家臣の大半は須賀川城と運命を共にし、大量の犠牲者が出ました。
「松明あかし」は、この戦で亡くなった二階堂の家臣や領民の魂を弔う為にはじまったお祭りです。
❚本松明行列出発
当日は約400人の中学生たちが町内を練り歩きながら、約1km先にある五老山山頂を目指して行進。
高さ約6〜8m、直径約1mの本松明を約30本が担がれます。
❚大松明・姫松明行列出発
「大松明」と「姫松明」は、一般応募で集まった男女約250人の担ぎ手で運ばれます。
「大松明」は男性(約150人)が、「姫松明」は女性(約100人)が担ぎます。
重いものを運ぶので、掛け声をかけながら運んでいきます。
約30本の松明が五老山会場に到着すると、今度は設置作業の開始。
人力や担ぎ棒を使って直立させるまでに1時間近く。
無事に立ち上がると、観光客から巻き起こる拍手が。
無数の巨大松明がそびえ立つこの迫力…。
❚キャンドルナイト
辺りが暗くなり始めると、翠ヶ丘公園芝生広場に赤青緑などのカラーキャンドルがとてもきれい輝きます。
1000個以上のLEDキャンドルで幻想的なワールドへ導きます。
このキャンドル1つ1つには、街の人々の思いが書かれています。
❚御神火奉受・献吟
須賀川城の本丸跡地である二階堂神社で奉受した御神火を手に、市内を一巡しながら会場である五老山へと運び、大松明点火用の御神火台へと御神火を移します。
平成元年には松明あかしが400年を迎えたことを記念し、伝統行事を盛り上げる為「松明太鼓」が作られました。
毎年「松明あかし」が近づいてくると、町中に松明太鼓の練習の音が響いてきます。
❚大松明点火
点火までも人力で行うのが「松明あかし」。
各松明の代表1名が、1本の命綱と松明を縛っている縄のみを頼りに、松明のてっぺんまでよじ登って御神火を点火します。
次々に巨大松明に火が灯る!
全ての松明に火が灯ると、辺りは夜にも関わらず炎の赤々とした光に包まれます。
巨大な松明も儚く燃え尽きて、「松明あかし」は終わりを迎えます。
松明あかし
【所在地】〒962-8601 福島県須賀川市八幡町135番地
【電話番号】:0248-88-9144
【営業時間】問い合わせ
【HP】】http://www.city.sukagawa.fukushima.jp/taimatsu/
さいごに…
日本三大火祭りのひとつに数えられるだけあって驚くほど迫力があり、燃え広がる松明の炎と乱舞する火の粉は圧巻。
その姿を目に焼き付けてみて下さい。忘れられない記憶になります。
夜に行われる神事なので、観光と合わせて泊まりがけで行ってみてはいかがでしょうか?
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